内装解体工事とは?スケルトン解体工事との違いや費用相場・注意点まで徹底解説|株式会社森組

皆さんこんにちは 長崎県佐世保市で足場工事を行っている株式会社森組です。
店舗やオフィスの移転、マンションのリフォーム、テナントの原状回復…。こうした場面で登場するのが「解体工事」です。
「そもそも解体工事って何?」
「内装解体工事とスケルトン解体工事とどう違うの?」
「費用や注意点は?」
といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、解体工事の基本から、内装解体工事とスケルトン解体工事との違い、費用相場や注意点まで、わかりやすく解説します。
解体工事とは?
解体工事とは、建物の構造体すべてに手を加えて建物全体を撤去する工事のことをいいます。
その中でも内装解体工事は建物(柱・梁・床・壁など)を残したまま、内装部分だけを撤去する工事のことを指します。たとえば以下のような部分が対象になります。
- 天井材や照明設備
- 壁紙(クロス)、間仕切り壁
- 床材(フローリング・タイル・カーペットなど)
- 空調・換気ダクト
- キッチン、トイレなどの設備機器(場合による)
内装解体工事は、主にリフォームや原状回復の際に行われる部分的な解体工事として用いられるケースが多いです。
内装解体工事とスケルトン解体工事の違い
内装解体工事とよく似た言葉に「スケルトン解体工事」があります。この2つの違いは意外と混同されやすいので、ここで明確にしておきましょう。
種類 | 特徴 |
内装解体工事 | 内装設備を撤去するが、間仕切りや仕上げ材が残ることもある。リフォームや原状回復向け。 |
スケルトン解体工事 | 内装を完全に撤去し、コンクリートや鉄骨などの構造体だけの状態にする。テナント返却時などに多い。 |
簡単に言えば、スケルトン解体工事は内装解体工事の“徹底版”。
例えばテナント契約で「スケルトン返し(原状復旧)」が義務づけられている場合は、天井裏の配線や配管まで完全撤去する必要があります。
内装解体工事が必要になる主なケース
内装解体工事は、以下のようなさまざまなケースで行われます。
- テナント退去時の原状回復
- リノベーションやリフォーム前の下準備
- 店舗の業態転換やレイアウト変更
- 老朽化した内装の全面更新
- 短期的なポップアップストア終了後の復旧
特に商業施設やオフィスビルでは、「スケルトン返却」が契約に含まれていることが多く、内装解体工事は避けて通れない工程となります。
解体工事の流れ|安心・安全に進めるための4つのステップ
建物の構造や立地条件、周辺環境をしっかりと把握し、近隣への配慮や安全対策を行いながら、計画的に進めていくことが重要です。ここでは、実際の解体工事がどのような流れで進んでいくのかを、4つのステップに分けてご紹介します。
① 現地調査・見積もり|最初の一歩は「現状把握」から
解体対象の建物や敷地の現状をしっかりと把握するところからスタートします。建物の延べ床面積や構造(木造・鉄骨造・RC造など)、解体の範囲、敷地の周辺環境(隣接建物との距離や道路の幅など)、さらに電気・ガス・水道といったライフラインの有無も細かくチェックします。
これらの情報が、最終的な見積もり金額に大きく影響するため、丁寧な現地調査は欠かせません。見積もりを依頼する際には、1社に決め打ちするのではなく、必ず複数の業者から「相見積もり」を取ることをおすすめします。
業者によって工事費用や対応内容、工期の長さに差が出る場合があるため、比較検討することで、より納得のいく業者を選ぶことができます。費用だけでなく、担当者の対応の丁寧さや説明の分かりやすさにも注目しましょう。
② 解体準備|スムーズな着工のために必要な手続き
解体工事を始める前には、いくつかの重要な準備作業があります。
まず行うべきは、ライフラインの停止手続きです。電気・ガス・水道などを安全に停止し、事故やトラブルを未然に防ぎます。これらは各種の手続きが必要になるため、早めに準備しておくことが肝心です。
また、忘れてはならないのが近隣住民へのごあいさつです。解体工事では、どうしても騒音や振動、粉塵が発生してしまいます。事前にあいさつをしておくことで、トラブルの予防につながりますし、地域の方々に安心感を持っていただけます。
さらに、養生作業も準備段階で重要なポイント。養生とは、建物の外周に防音・防塵用のシートを張り巡らせ、解体作業によるほこりや騒音を最小限に抑えるための対策です。工事を安全かつスムーズに進めるためにも、入念な準備が必要です。
③ 解体工事|安全第一で一つずつ丁寧に
いよいよ、解体工事の本番です。まずは、事前に準備した養生シートをしっかりと設置し、周囲への影響を最小限にとどめた状態で作業がスタートします。建物の解体は、屋根や天井部分から順に進めていき、天井材・壁材・床材といった内装部分を丁寧に撤去していきます。
次に、建物内にある空調設備や電気配線、水道管なども解体しながら取り外していきます。こうした内部設備の撤去は、構造物の安全性や今後の土地利用にも関わるため、経験と技術が求められる作業です。
解体で発生した廃材は、そのまま廃棄されるわけではありません。木材・金属・コンクリート・プラスチックなど、素材ごとに細かく分別し、法令に則って適切に搬出・処理を行います。資源の再利用や環境への配慮も大切にしながら、工事は着実に進んでいきます。
④ 清掃・原状確認|最後まで丁寧に。仕上げのチェック
すべての解体作業が完了したら、現場の清掃を行い、工事完了の最終確認に入ります。がれきや廃材が残っていないか、土地の状態に問題がないかを一つひとつチェックし、施主様と一緒に現地の確認を行います。
このとき大切なのは、契約内容通りに工事が完了しているかどうかです。解体後の土地が予定通りの状態になっているか、万が一、説明と違う点がないかをしっかりと確認しましょう。信頼できる業者であれば、細かな点まで丁寧に説明しながら最終確認を進めてくれます。
工事が終わった後も、万が一の不備が見つかった場合に備えて、アフターフォローをしてくれるかどうかも重要なポイントです。最後まで責任を持って対応してくれる業者を選ぶことが、安心・安全な解体工事の成功につながります。
費用相場はどれくらい?
内装解体工事の費用は1㎡あたり8,000〜20,000円程度が一般的です。価格に幅があるのは、以下のような要因が関係しているためです。
要因 | 説明 |
面積 | 一般的に広いほど㎡単価が下がる傾向あり |
建物の構造 | 木造、鉄骨、RC構造などで費用が異なる |
解体範囲 | 一部撤去 or スケルトン化で金額が大きく変動 |
アスベストの有無 | 含まれていれば特別な処理費用がかかる |
搬出ルート | エレベーターなし、高層階などでコスト増加 |
事例:
- 30坪の飲食店(スケルトン解体)→ 約150万円〜250万円
- 20坪の事務所(軽微な内装解体)→ 約50万円〜100万円
解体業者を選ぶ際に失敗しないために|信頼できる業者を見極める4つの視点
内装解体工事は「ただ壊すだけ」の作業と思われがちですが、実際には高度な専門性と、周囲への配慮を必要とする繊細な作業です。
見た目にはわかりにくいからこそ、業者選びを間違えると、トラブルや追加費用、近隣からのクレームなど、思わぬ問題に発展してしまうことも少なくありません。ここでは、信頼できる内装解体業者を選ぶために、特に意識しておきたい4つのポイントをご紹介します。
不法投棄を防ぐためにに産業廃棄物の処理が適切かを確認
内装解体にともなって発生する廃材は、法的に「産業廃棄物」として分類されます。これを適切に処理するためには、自治体の許可を受けた業者による収集・運搬と処理が必要です。
しかし中には、許可を持たずに処理を請け負う業者も存在し、そういった業者に依頼してしまうと、知らぬ間に不法投棄に関与してしまい、発注者であるあなた自身が罰則を受けるリスクもあるのです。
業者を選ぶ際には、「産業廃棄物収集運搬業許可証」を保有しているかどうかをしっかり確認しましょう。
できれば、処分先の最終処分場名やマニフェスト(産業廃棄物管理票)の取り扱いについても説明してもらえると、より安心です。「安さ」を前面に出してくる業者こそ、廃棄処理の対応に不備があるケースもあるため、安易に価格だけで判断しないことが大切です。
必要な許可・保険の有無をチェック
内装解体は建設業法に基づく専門的な工事です。そのため、信頼できる業者であれば「建設業許可」や「解体工事業の登録」をきちんと取得しています。
これらの許可を持っていない業者は、一定規模以上の工事を請け負うこと自体が法律違反になる可能性があるため、必ず確認しておきましょう。
また、万が一の事故や損害に備えて、「損害賠償保険」や「工事保険」に加入しているかも大切なチェックポイントです。
解体作業中に建物の共用部分を破損したり、作業員が怪我をした場合など、保険に未加入だと、その補償責任があなたに及ぶケースもあります。契約前に「保険加入証明書」の提示を求めるなど、リスク管理の意識を持つことが、後悔しない業者選びの一歩です。
近隣トラブルを未然に防ぐ対応力と配慮があるかどうか
商業施設や住宅街など、人が多く集まるエリアでの内装解体工事では、騒音・振動・粉塵など、近隣環境への影響が避けられません。だからこそ、近隣への丁寧なあいさつ回りや、騒音対策・防塵対策にしっかり対応してくれる業者を選ぶことが重要です。
経験豊富な業者は、地域特性に応じた対応や、トラブルを未然に防ぐノウハウを持っています。事前の説明段階で「近隣対応はどのように行っていますか?」と質問し、具体的な取り組み内容や実績を聞いてみるとよいでしょう。
「今まで苦情を受けたことがない」といった業者の言葉の裏には、しっかりとした配慮と技術があることが多いです。
工期に合わせた柔軟対応
内装解体では、工事のスケジュールがその後の引き渡しや新装オープンに直結することも多く、日程の調整力は非常に重要なポイントです。特に店舗やオフィスの移転・閉店などでは、「○月○日までに完了してほしい」という明確な期限があるケースがほとんどです。
そういった場面で、柔軟にスケジュールを組んでくれる業者であれば、安心して依頼することができます。施工体制に余裕があるかどうか、予備日を設けた工程管理が可能か、突発的な変更にも対応できるかなどを事前に確認しておくと、計画通りに進行できる可能性が高まります。
特に忙しい時期や繁忙期に差し掛かると、工期がずれ込みやすいため、最初から「どこまで融通が利くか」という点をチェックしておくことが、トラブルの回避につながります。
まとめ:内装解体工事は“計画力と業者選び”がカギ
内装解体工事は、見た目以上に専門性と段取りが重要な作業です。スケルトン解体との違いや費用、注意点をしっかり把握しておけば、トラブルを避けてスムーズにリフォームや退去が進められます。
後悔しないためにも、「業者選び」は最も大事な第一歩です。情報を集めて、自信を持って任せられる方を選びましょう。