空き家を放置する前に!佐世保市の解体補助金と“今動くべき理由”とは?

皆さんこんにちは 長崎県佐世保市で建設業を営んでいる株式会社森組です。
『実家を相続したけど、今は誰も住んでいない』
『老朽化が進んでいて倒壊の心配もあるけど、解体するのは費用がかかるし…』
そんなふうに悩みながら、つい後回しにしてしまっていませんか?
特に佐世保市のような雨が多い地域では、木造住宅の劣化が早く、長期間放置すると解体せざるを得ない状況に陥ることも少なくありません。「まだ大丈夫かな…」と先延ばしにした結果、思わぬトラブルや高額な費用を負担するリスクもあります。
本記事では、持ち家の解体をいつどのように動くべきか、空き家を放置するとどんなリスクがあるのか、また佐世保市で利用できる補助金制度の活用方法について、わかりやすく解説します。
空き家を放置するとどうなる?
「いつか使うかもしれない」「思い出が詰まっているから壊せない」
そうして放置されている空き家が、今、日本各地で急増しています。
見た目には静かに佇んでいるだけの建物でも、管理されない空き家は時間の経過とともにさまざまなリスクをはらむ存在へと変わっていきます。特に、湿気の多い佐世保市のような地域では、老朽化のスピードも速く、想像以上に深刻な問題へと発展することもあります。
空き家放置の現状と社会問題
全国的に見ると、空き家の数は年々増加しています。
総務省の住宅・土地統計調査によれば、空き家数は過去30年間で約1.8倍に増加しており、その数は約850万戸を超えると推計されています(※2018年時点)。これは全住宅数の約13%を占める割合です。
その背景には、以下のような要因があります。
- 地方から都市部への人口流出
- 高齢化による独居・介護施設入居の増加
- 相続後の住まいの扱いに関する判断の先送り
- 維持管理の手間やコストへの不安
佐世保市においても例外ではありません。
長年誰も住んでいない住宅が老朽化し、管理が行き届かないまま放置されているケースは少なくないのが現状です。こうした空き家は、単なる「個人の問題」にとどまらず、地域全体の安全性や景観、さらには不動産価値にも悪影響を及ぼすため、今や「社会問題」となっているのです。
空き家放置の具体的リスク
「空き家があるだけで、そんなに危険なの?」
そう思う方もいるかもしれませんが、実際には想像以上に多くのリスクが存在します。
ここでは、代表的な5つのリスクをご紹介します。
- 雑草や木の繁茂による近隣トラブル
- 建物の倒壊リスク
- 害虫や害獣の温床に
- 不法投棄・放火などの犯罪リスク
- 空き巣や不法侵入の温床に
具体的な内容は下記で詳しく説明します。
雑草や木の繁茂による近隣トラブル
手入れされていない庭は、あっという間に雑草や樹木で覆われます。
繁茂した草木は隣地に侵入することもあり、通行を妨げたり、虫の発生源になったりと、近隣住民とのトラブルの原因になります。
「管理されていない家」という印象を与えてしまうことで、地域全体の景観にも悪影響を及ぼし、苦情や自治会からの指導されることが有りますので注意が必要です。
建物の倒壊リスク
木造住宅は特に湿気に弱く、定期的な換気や修繕がされないままだと、屋根や壁、柱などの構造部分が急速に劣化します。台風や地震などの自然災害時には、倒壊の危険性がさらに高まります。
倒壊によって通行人や隣家に被害が及べば、所有者は損害賠償責任を問われることもあります。
害虫や害獣の温床に
人気のない空き家は、ネズミやゴキブリ、ハチ、シロアリなどの害虫が住みつく格好の場所となります。さらには、タヌキやイタチ、野良猫などの野生動物も入り込むケースがあり、不衛生な状態に加え、悪臭や鳴き声などによるご近所トラブルにも発展しかねません。
一度害虫や害獣が繁殖してしまうと、駆除費用も高額になります。
不法投棄・放火などの犯罪リスク
管理がされていない空き家は、不法投棄の標的になりやすい場所でもあります。
家具や家電、粗大ごみなどを勝手に捨てられるだけでなく、場合によってはホームレスの居住場所や、未成年のたまり場になることも。
さらに怖いのは、空き家が放火のターゲットとなるリスク。空き家火災は発見が遅れるケースが多く、近隣住宅にまで被害が及ぶ重大事故にもつながります。
空き巣や不法侵入の温床に
人の出入りがない家は、空き巣や侵入者にとって非常に“都合の良い”場所です。放置された空き家が拠点となり、近隣での盗難被害や不審者の出没など、地域の治安そのものを悪化させる可能性もあります。
一部のケースでは、勝手に住み着かれたり、SNSなどで「廃墟スポット」として拡散されたりする事例も報告されています。
老朽化は日々進行中!「まだ大丈夫」は危険
老朽化は“静かに、しかし確実に”進行しています。特に佐世保市のように降雨量が多く、湿気がこもりやすい地域では、建物の劣化スピードは想像以上です。
気づいたときには修繕すら不可能なレベルに達してしまい、解体一択…ということも珍しくありません。放置期間が長くなるほど、補助金の利用条件から外れたり、緊急性が高まって行政からの命令が下ったりと、自分ではコントロールできない事態に陥るリスクも出てきます。
老朽化が進みやすい理由
建物の劣化は、外から見ただけでは分かりにくいものです。
特に空き家の多くは木造住宅であり、以下のような要因が、知らぬ間に建物をむしばんでいきます。
湿気の多い気候が大敵に
佐世保市は年間を通して降水量が多く、建物内部に湿気がたまりやすい環境です。換気がされない空き家では、木材の腐食やカビの発生が進みやすくなります。
屋根や外壁の劣化から始まる“静かな崩壊”
屋根瓦のズレやヒビ、外壁のクラックから雨水が侵入し、そこから内部の柱や梁、断熱材にじわじわとダメージを与えていきます。目に見えない場所から、確実に劣化は広がっていきます。
シロアリや害虫による構造材へのダメージ
湿った木材は、シロアリにとって最高の住処です。シロアリ被害は床下から始まり、柱や土台を食い尽くすまで気づかれないことも多く、建物の強度が著しく低下します。
人の出入りがないこと自体が“劣化の原因”に
家は、人が住んで初めて「生きた建物」として維持されます。空気の入れ替えがされない、雨漏りにも気づかない、外回りのチェックもされない“無管理状態”が、加速度的に劣化を進めるのです。
老朽化が進むとどうなる?
老朽化を放置してしまった結果、建物や周囲にどのような影響が出るのか以下のようなリスクは現実に起こりうることです。
地震や台風での倒壊リスクが高まる
建物の構造部分(柱・梁・屋根)が腐食していると、地震の揺れや強風に耐えられなくなります。特に空き家は誰もいないからこそ見過ごされがちですが、近隣住民や通行人に被害を及ぼす危険があるのです。
外壁や屋根の破片が飛散することも
外壁のモルタルがはがれ落ちたり、屋根瓦が風で飛んだりすることも。これが隣家や車、人に当たれば、大きなトラブルや損害賠償にもつながりかねません。
修理では対応できなくなり、費用が跳ね上がる
劣化が初期段階であれば、補修や部分的な改修も可能です。ですが、10年、20年と放置してしまうと、修理では済まず、全面改修や解体の判断を迫られることになります。しかも、痛んだ状態の解体は費用も高くなりがちです。
近隣住民の不安や苦情の原因に
倒壊の危険がある建物が隣にあるだけで、住民は日常的に不安を抱えることになります。景観の悪化や悪臭、害虫・害獣の発生も、空き家の放置が招く「ご近所トラブル」の引き金になります。
行政の対応と所有者のリスク
空き家を長期間放置しておくことで、思わぬタイミングで行政から指導や命令が下されることがあります。それは、単なる注意で済む話ではありません。命令に従わなければ「強制的な解体(行政代執行)」が行われ、その費用はすべて所有者に請求されるのです。
さらに、固定資産税の軽減措置が解除され、税金の負担が一気に6倍になるケースもあります。こうした事態を防ぐには、行政の制度やリスクを正しく理解し、早めに行動を起こすことが何より大切です。
空き家対策特別措置法とは?
2015年に施行された「空き家対策特別措置法」は、全国で増え続ける空き家に対して適切な管理を促し、地域住環境の悪化を防ぐために制定された法律です。この法律の最大の特徴は、自治体に対して空き家所有者へ行政的な介入ができる権限を与えている点です。
空き家が放置され、倒壊や防犯上の問題などを引き起こすおそれがある場合、自治体は以下のような措置を取ることができます。
- 所有者に対する指導・助言
- それでも改善されなければ勧告や命令
- 最終的には行政代執行による強制解体
この法律の目的は、空き家が近隣に与える悪影響を最小限に抑えることであり、同時に空き家の所有者の責任を明確化しています。つまり、「持っているだけ」では済まされない時代に入ったということです。
行政代執行の費用は高額に
「最終的に行政が解体してくれるなら、任せてしまえばいい」と考える方もいるかもしれませんが、行政代執行で行われる解体には問題があります。
まず、費用が高額になるということです。民間の解体工事に比べて1.5倍〜2倍ほどの費用がかかるケースが珍しくありません。
- 周辺住民への説明や調整作業など、行政の丁寧な対応が必要になる
- 安全確保や法令遵守のため、工程が慎重かつ長期化しがち
- 特定の業者にしか委託できず、競争原理が働かないためコストが下がらない
- 事務手続きや調査、人件費などの間接費用が加算される
このような理由から、民間であれば100万円で済む解体が、行政代執行では150~200万円かかるケースもあるのです。しかも、この費用はすべて所有者が負担しなければなりません。
自治体の決定に対して、所有者側から「費用を減らしてほしい」などの交渉は一切できず、支払い義務だけが残ります。
固定資産税の優遇措置も外れる場合がある
空き家を所有している方の中には、「固定資産税が安くなるから、解体せずに家だけ残しておこう」と考える方も多く見られます。実際、住宅が建っている土地には「住宅用地特例」が適用され、固定資産税が最大で6分の1に軽減されています。
しかし、これはあくまで「居住可能な状態で管理されている住宅」に対しての優遇措置です。老朽化が進み、「特定空き家」に指定されると、この優遇措置は解除されます。
つまり、建物を残しておくことでかえって維持費(税金)が膨らみ、「何もしていないのにお金ばかり出ていく」状態に陥るリスクがあるのです。
このような経済的リスクを回避するには、早い段階で空き家の状態を見直し、必要であれば解体や売却、活用方法を具体的に検討することが重要です。
佐世保市の「解体補助金制度」-老朽危険空き家及び空き建築物除却費補助金
「解体したいけど、費用が高くて踏み切れない…」そんな方のために、佐世保市では老朽化した空き家の解体費用を一部補助する制度を用意しています。
これは、地域の安全や景観を守るために、市が積極的に空き家問題の解消をサポートしている取り組みです。うまく活用すれば、自己負担を減らして解体ができるチャンスになります。
対象となる建築物
住宅については、次の1から4の要件をすべて満たす建築物が対象建築物となります。
また、住宅以外については、1から5の要件をすべて満たす建築物が対象建築物となります。
- 佐世保市内に存する、現在使用されていない建物
- 木造又は鉄骨造。
- 構造の腐朽又は破損が著しく危険性が大きいもの。
- 木造で、築後22年以上経過したもの(鉄骨造の場合は、お尋ねください。)
- 老朽化又は自然災害等により、空き建築物の建築材料が脱落し、若しくは飛散することにより、人の生命若しくは財産に害を及ぼすおそれのある状態にあるもの。
なお、年度ごとに制度の内容や上限額が変更されることがあります。事前に佐世保市の担当窓口や公式ホームページで最新情報を確認するようにしましょう。
注意!補助金を受けるには「工事前の申請」が必要
この補助金制度で特に注意したいのが、「申請は必ず解体前に行う必要がある」という点です。
「とりあえず解体して、あとで申請すればいいや」と思って先に工事を始めてしまうと、補助金の対象外になってしまいます。そうなると、予定していた補助を受けられず、全額自己負担になってしまうことも。
解体することを決めたら、必ず着工前に市へ相談・申請しましょう。
補助金申請の流れ
実際に補助金を申請してから受け取るまでの流れは、以下のようなステップになります。
【STEP 1】現地の状況を確認
まずは、解体を考えている建物の状態をチェックします。市の職員が現地調査に来て、老朽化の度合いや安全性を確認します。
【STEP 2】解体業者に見積もりを依頼
次に、解体工事を依頼したい業者に見積書を出してもらいます。この見積書が補助額の算定資料になります。
【STEP 3】市に補助金の申請書を提出
建物の写真や見積書などを添えて、市の窓口に「補助金交付申請書」を提出します。
【STEP 4】市から交付決定の通知が届く
申請内容に問題がなければ、市から「補助金を交付します」という決定通知が届きます。
※この通知をもらう前に工事を始めると、補助対象外になります。
【STEP 5】解体工事の着手
市から交付決定の通知が届いたら、いよいよ解体工事を始めることができます。安全に配慮しながら工事を進めます。
【STEP 6】解体完了後に必要書類を提出
工事が終わったら、完了報告書や工事費用の領収書などを提出します。これをもとに、実際の補助金額が決定されます。
【STEP 7】補助金の受け取り
最終的に、佐世保市から補助金が振り込まれます。これで手続き完了です!
まとめ|持ち家の解体は「今」がベストタイミング
空き家を放置すると、税金や劣化が進みリスクや費用が増大します。行政指導や強制撤去による高額請求の可能性もあり、将来的なトラブル回避のためには早めの対策が不可欠です。
佐世保市の解体補助金制度は、最大で約60万円の負担軽減が期待でき、賢く活用すれば自己負担を大幅に減らせます。さらに、空き家バンクへの登録や土地活用の相談も視野に入れることで、資産価値を守りながらスムーズな処分が可能です。
悩んでいるなら、まずは株式会社森組へご相談ください。無料相談で現状確認と最適なプランをご提案します。
「もう少し先でも大丈夫」と考えがちですが、状況は日々変化します。大切な資産とご家族の未来を守るために、ぜひ「今」行動しましょう。