「足場」って何?建設現場に欠かせない理由とその役割を分かりやすく解説します!|株式会社森組

皆さんこんにちは 長崎県佐世保市で足場工事を行っている株式会社森組です。

皆さんは、街で見かける建設現場に組み立てられた鉄製の骨組み、「あれは何のためにあるのだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?その正体こそが「足場」と呼ばれる、建設工事には欠かせない重要な設備です。

私たちの日常ではあまり意識されることのない足場ですが、現場で働く職人たちにとっては、命を預ける“土台”とも言える存在。安全な作業環境を確保し、効率よく作業を進めるために、なくてはならない役割を担っています。

今回は、佐世保市を拠点に数多くの現場を支えてきた弊社が、足場の基礎知識や種類、そしてなぜそれほどまでに大切なのかを、分かりやすく解説いたします。

これから新築や改修をお考えの方、工事業者を探している方、あるいは建設業界にご興味のある方にとっても参考になる内容です。ぜひ最後までお付き合いください。

足場とは?|高所作業の安全と効率を支える“影の主役”

新築・増築や解体、外壁塗装などの現場では、高所での作業が避けられません。そんなとき、作業員の安全を守り、作業をスムーズに進めるために仮設されるのが「足場」です。

工事が完了すれば撤去される一時的な構造物ですが、その役割は非常に大きく、現場ではまさに「縁の下の力持ち」。

足場があるからこそ、作業員は高所でも安定して作業に集中でき、また作業の正確さやスピードも格段に向上します。

足場の基本構造とは?

足場というと「ただの作業台」や「仮の足元」と思われがちですが、実際には高度な安全性と柔軟な機能性が求められる非常に緻密な構造になっています。

足場の主な構成部材

足場は、以下のような基本的なパーツによって構成されます。

  • 支柱(縦の柱):足場の骨組みとなる柱で、構造全体を支える最も重要な部分です。
  • 水平材(布材):支柱同士をつなぎ、構造に安定感を持たせる横方向の部材です。
  • 筋交い:斜め方向に取り付けることで、揺れや傾きに対する耐性を強化する部材。風圧や作業員の動きによる力に対応します。
  • 踏板:作業員が実際に立って作業を行う部分。滑りにくく、かつ安定した設計が求められます。

これらの部材は、現場の広さや建物の高さ、作業の種類に応じて適切に配置・組み立てられます。足場はパズルのように組み合わせて構築されるもので、設計段階から高い専門性と安全管理が求められます。

足場を設置する目的|安全・効率・アクセスの3大要素

足場は、建設現場や解体現場などあらゆる場面で活用されていますが、単に「作業をするための場所を作る」だけではありません。実際には、安全・効率・アクセスという3つの重要な目的を達成するために設置されています。

作業員の安全確保

高所作業における最大のリスクは“転落”。足場がしっかりと設置されていない現場では、作業員の体勢が不安定になり、思わぬ事故を引き起こす危険があります。

手すりの設置、中間手すり、転落防止ネットの併用など、安全設備をきちんと備えた足場は、命を守るための最前線です。事故を未然に防ぐためにも、足場の品質は決して妥協できないポイントです。

作業効率の向上

足場があることで作業員は両手を自由に使え、工具の取り扱いや資材の設置もスムーズに。足元が安定していることで、作業時間が短縮され、工期の短縮にもつながります。

また、作業動線がスムーズになり、道具や材料を置くスペースも確保できるため、現場全体の生産性を高める設備としても重要です。

建物へのアクセス確保

外壁や屋根、バルコニーなど、高所にある箇所へのアクセス手段としても足場は不可欠です。特に、外壁塗装や補修工事などでは、足場の配置が作業の完成度に直結します。

狭小地や複雑な形状の建物にも対応できる柔軟性と技術力が求められるため、足場工事は見た目以上に奥が深いのです。

足場が必要となる主な工事の種類とは?現場の「縁の下の力持ち」

足場はあらゆる建設・解体・メンテナンスの場面で活躍しています。以下に、足場が特に重要となる工事例を詳しくご紹介します。

新築工事・改修工事

新築工事では、建物が完成するまでのあらゆる工程で足場が活躍します。基礎工事が終わってからの構造体の組み上げ、外壁の設置、窓やバルコニーの取り付けなど、すべての作業を安全に進めるためには、足場の存在が欠かせません。

改修工事の場合は、既存の建物の形や状態を考慮した足場の設置が求められ、特に高度な技術が必要になります。

外壁塗装工事

外壁塗装は、建物の外観を美しく保つだけでなく、雨風や紫外線からの保護という機能面でも重要です。高所の外壁全体を均一に塗装するには、足場を設けることでムラのない作業が可能になります。

また、塗装作業においては、塗料や工具を安全に持ち運ぶためのスペースも必要なため、踏板や棚板を適切に設置することが求められます。

屋根工事

屋根は建物の最も高い位置にあり、傾斜があるために転落の危険性が極めて高い場所です。屋根の張替えや補修、太陽光パネルの設置といった作業を行うには、傾斜に対応した専用の足場を使い、安全帯と併用して作業を行います。

解体工事

解体工事では、倒壊や落下物のリスクを最小限に抑えるため、周囲をしっかりと囲む足場が必要です。特に、都市部や住宅密集地では、防音シートや養生シートを張り付ける足場が建物の周囲に設けられます。

電気・空調設備の設置

高所にエアコンの室外機を設置したり、大型施設で配線工事を行う際にも、安定した足場が欠かせません。足場があることで、作業員が両手を自由に使え、精密な設置作業を行うことができます。

仮設看板・装飾などの設営

イベント会場や商業施設では、短期間での装飾設営が求められることもあります。このような現場でも、簡易な足場や移動式足場を使用することで、安全かつ迅速な作業が可能となります。

足場の種類とそれぞれの特長

建設現場や解体現場、外壁塗装や屋根工事など、さまざまな場面で必要とされる「足場」。作業員の安全確保はもちろん、作業効率を上げるためにも、現場に適した足場の選定は欠かせません。一口に「足場」と言っても、実はその種類は複数あります。

ここでは主に使われている「単管足場」「枠組足場」「くさび式足場」それぞれの特徴や、メリット・デメリット、現場での活用例について詳しくご紹介します。

単管足場:自由度の高い万能型

単管足場は、鉄パイプ(直径48.6mmの単管)をクランプという金具で繋ぎながら組み立てていく足場です。構造が非常にシンプルで、形状や大きさにとらわれず柔軟に対応できることから、狭小地や複雑な構造の建物で特に重宝されています。

メリット

  • 自由な形状で組めるため、曲面や高低差がある現場にも対応可能
  • 部材の種類が少なく、資材の管理がしやすい
  • 比較的安価で、コストを抑えられる

デメリット

  • 組立に時間がかかり、作業員の熟練度が必要
  • 組立後の見た目がやや粗く感じられることもある
  • 高所作業や大規模工事には向かない場合がある

特に住宅密集地の外壁補修やリフォーム、配管工事などでは、その柔軟性が大きな武器になります。足場職人の腕が試される足場とも言えます。

枠組足場:高所・大規模工事の定番

枠組足場(わくぐみあしば)は、鉄製のフレーム(建枠)を組み合わせて構築する足場で、高さのある建物や中〜大規模な建築現場で多く使われています。建設業界でもっともスタンダードな足場のひとつです。

メリット

  • 高さに強く、ビルやマンションなどの工事に適している
  • 安定感があり、安全性が高い
  • 組立・解体が比較的早い

デメリット

  • 部材が大きく、運搬や保管にスペースが必要
  • 狭い現場では設置できないことがある
  • 単管やくさび式と比べてコストがかかる

特に都市部での中層ビルの建築や改修工事には、この枠組足場が活躍します。また、安全基準が厳しい現場でも採用されやすいのが特徴です。

くさび式足場:スピードと効率の新定番

くさび式足場は、「支柱」と「手すり」や「踏板」を、くさび(楔)によって打ち込むことで固定する足場です。「ビケ足場」とも呼ばれ、住宅建築やリフォーム現場など中小規模の工事で広く使われています。

メリット

  • 組立・解体がとにかく早く、工期短縮に貢献
  • 組立の均一性があり、安全性が高い
  • 少人数でも効率的に施工可能
  • 美観的にもスッキリした見た目

デメリット

  • 支柱間隔が決まっており、自由度が低め
  • 曲面や不規則な形状の建物には不向き
  • 導入には専用部材が必要で、初期コストがやや高い

一戸建ての建築現場では、今や主流となりつつある足場です。現場のスピード感や人手不足への対応にもマッチしており、住宅業界では特に人気です。

足場工事に関する法的ルールと安全基準

足場の設置・使用には、労働安全衛生法をはじめとする法的なルールが厳しく定められています。特に、以下のような点が法律で明確に規定されています。

高さ2m以上の作業では特別な配慮が必要

労働安全衛生規則では、高さ2メートル以上の場所で作業を行う場合、作業員が転落・転倒するリスクを防ぐために、手すりの設置や安全帯の使用が義務付けられています。これに違反すると、重大な労働災害につながるだけでなく、企業には罰則が科される可能性もあります。

足場の組立て等作業主任者の配置

一定規模以上の足場工事では、「足場の組立て等作業主任者」の有資格者を配置することが必要です。この主任者は、作業計画の作成や現場での安全指導、危険箇所の点検など、安全管理の中心的な役割を担います。

定期点検と記録の義務

足場は設置後も、強風や雨、使用状況によって状態が変化するため、定期的な点検とその記録が義務付けられています。特に、大型現場では朝礼時に点検・指差し確認を行うことで、安全を維持します。

まとめ:足場は「作業の土台」であり「命の支え」

足場は、建設現場において見過ごされがちな存在ですが、現場を支える“柱”であり、作業員の命を預かる“土台”でもあります。その安全性・効率性・柔軟性は、どれも工事の完成度に直結する要素です。

株式会社森組では、佐世保市を中心に、数々の現場で足場工事を手がけてきました。私たちの強みは、地域密着で培ってきた経験と、現場ごとに最適な足場を設計・提供できる技術力。お客様のご要望に応じて、安全かつ高品質な施工をご提供いたします。

足場に関するご相談やお見積もりは、お気軽にお問い合わせください。皆さまの大切なプロジェクトを、私たち森組が足元からしっかりと支えます。